●Vol.0   ●Vol.1   ●Vol.2   ●Vol.3  ●Vol.4
●Vol.5
  ●Vol.6   ●Vol.7   ●Vol.8  ●Vol.9
●Vol.10   ●Vol.11   ●Vol.12   ●Vol.13   ●Vol.14
●Vol.15   ●Vol.16   ●Vol.17   ●Vol.18   ●Vol.19
●Vol.20   ●Vol.21   ●Vol.22   ●Vol.23   ●Vol.24
 Episode:24 
 
  
エイレネ
 
移民船の管理コンピュータで、その名は平和と秩序の女神である。新たに平和な世界を作り出し、その秩序を維持する存在として命名された。エウノミア、ディケ、エイレネの三体の名は、ギリシア神話の時の女神ホーライと呼ばれる。彼女たち三体で人間を見守り、平和で安定した世界を作るようにと、元々の命名者は願っていたのだろう。そして、ディケは正義だけでは無く、運命を司ることから、人の運命を図り、それを定め、他の二体の行く末と人の行く末を定める使命を担っていた。
 
  
メリルとリタ
 
4話に登場した、ソルティの「最初のお友達」メリルが、地下都市に避難する際に転倒、それを助け起こしたのは、6話に登場した「ロイの娘かと思われた」リタだった。無事リタの目と足のリゼンブル手術は成功した、と思われる。


 
  
ミランダとカーシャ
 
カーシャは、元々身寄りの無い未登録市民だった。年齢的にブラストフォールの孤児ではなく、その後に生まれた子供だが、親が未登録市民だった、と思われる。ハンターとしてミランダが関わった事件で、彼女を助けることになり、そのまま引き取った模様だが、それはまた別の物語。

 
  
ラジオ
 
エウノミアとエイレネの管理が無くなった世界では、ブラストフォールの危険性も無くなり、高度規正法も撤回された。その結果として封印されていた技術である飛行機も導入され、更にオーロラウェーブの影響で特殊用途以外不可能だった電波による通信も民間レベルで可能となった。その一つとして、ラジオが普及し始めている。

 
  
ソルティの審判
 
移民計画の管理コンピュータである、ディケ(ソルティ)、エイレネ、エウノミアの三体は、少しずつ異なる設定をされたプログラムにより、多面的な角度から人類の維持管理を行い、その種の絶滅を防ぐためのシステムであった。重要時にはこれら三体が協議を行い、二体以上の同意を得ることで、新たな決定を行う。宇宙船から惑星に降りたエウノミア、宇宙船のコアそのものであったエイレネとは異なり、人の姿を与えられたディケ(ソルティ)は、人と同じ視点で移動し、人々の間を動き、それらと触れ合う事で、人間の心と感情を調べる可動式センサーであった。しかしながら、人と触れ合うにあたり、冷静で合理的な判断を下せるように、ディケには感情や自我が与えられなかった。自我がある他の二体も、完全ではなく、それぞれに欠落している部分がある。例えばエウノミアには、人間との会話能力が与えられていなかったように。このように、すこしずつ異なるそれぞれのシステムが、お互いを補いあうことで、解決策を検討するようになっていた。だが、人類の維持を目的としていながら移民船の人々の全滅を防ぐ事のできなかったディケは、地上に降りた際、それまでの記憶を失う代わりに感情を手に入れる。それは、守ることの出来なかった人々の悲しい想いに彼女の記憶(メモリー)が満たされていたから、その忌まわしい記憶を失い、再び人々を守ることが彼女の希望だったのかもしれない。もしかしたら、彼女のあの長い耳は、多くの人々の声を聞き、人の思いを知るためのものだったのでは無かろうか。暴走してしまった他の二体、エウノミアは自分の手中で人類を管理することで、エイレネはそれをデータとして保存することで、人類を絶滅から防ごうとしていた。それは、それぞれのシステムの違いから来る判断であったのだろう。

 
  
デブリ
 
「破片」の意味で、惑星の軌道上を回り続けている人工物体を、スペースデブリ、もしくは単にデブリと呼ぶ。将来、彼らが宇宙に本格的に進出した際、移民船の破片であるデブリを回収する業者が必要となるであろう。それが別の物語になるかは、ここでは触れない。